プロフェッショナル仕様の精密機器キャリングケースからアルミコンテナまで 1902年興業フジコーワ工業の堅牢ケース専門ブランドPROTEX(プロテックス)公式サイト

PROTEX(プロテックス)はパーソナルに特化した、あらゆるプロフェッショナルのキャリーニーズに応えるブランド。
スーツケース・キャリーコンテナ・アタッシュなど、ビジネスに始まりトラベル・ダイビング・モータースポーツにいたるまで、プロフェッショナルの傍らには、常にPROTEXがいる。

▼<オーダー受付状況>FPZ-09:5月中旬出荷分 / FPV-08:5月中旬出荷分残りわずかです  AFC-106:5営業日以内出荷分残りわずかです

  • FPZ-09
  • FPV-08
  • AFC-106

最新更新日[UP DATE]

【ボッチャ連載企画第1弾】代表チームとの専用ケース開発エピソードと、ボッチャスポーツの発展の“今”に迫ります

ボッチャ連載企画

ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のボールを投げる。転がす。
12.5m × 6m のコートで繰り広げられる、戦略的駆け引き。
記憶に新しい東京大会、そして2024パリ大会へ―。

代表選手の活躍とともに、年々競技人口も増えている、「ボッチャ」。
その競技としての面白さもさることながら、誰でも気軽に始められることから、地域でのクラブチームや体験会の機会も多くなっています。
国内でのボッチャの認知度調査の結果によると、リオ大会当時は数パーセントだったところから、最近の調査では48% という数字になっているのだそうです。

ボッチャ連載企画

そんなボッチャの輪を拡げ、代表選手を支えている日本ボッチャ協会(一般社団法人 日本ボッチャ協会)を、PROTEXはリオ大会からはじまり、現在も専用のケースを提供する形で、サポートし続けています。

今回、協会と共同での、ボッチャのスポーツとしての面白さや、代表選手を支えるモノづくりの技術に迫る連載企画がスタート。

第1回では、オファーを初めて頂いたリオ大会当時のエピソードを振り返るとともに、東京大会、次回パリ大会に向けてのサポート技術の変化や、ボッチャスポーツ全体での最近の拡がりや取り組みについて伺いました。
(2022年11月16日取材)

ボールを気圧から、守る。リオ大会2週間前のオファー

ボッチャ連載企画

リオ大会向けに提供したボールケース

ボッチャ代表チームへのサポートのはじまりは、リオ大会直前に届いたオファーからでした。
大会時には、実際にする用具について、厳正な検査が行われます。
ボールの重さや大きさが、規定をクリアしているかのチェックに際して、海外遠征では代表チームの頭を大いに悩ませる課題がありました。

「地球の反対側」と言うフレーズでもよく語られる様に、日本からブラジル・リオデジャネイロほどの長時間のフライトになると、こと気圧の高低差によって、ボールのコンディションに変化が生じてしまうのだそうです。
大会時には通常、選手個人個人に合わせて使用球の重さをグラム単位で調整しています。
国内でボールをメンテナンスしても、海外現地に運ぶまでにボールの様子が形状や重さが変わってしまい、過去には遠征先の検査に通らず、用具が使えなくなってしまう、ということも。
代表チームが対策に検討を重ねる中、当時パフォーマンス分析担当を務めていた渋谷氏がかねてから当社と付き合いがあり、「PROTEXならば、気圧にも強いケースがある」と思い立ち、当社までオファーを頂くこととなりました。

フライトまでの期日迫る中。「初」のケース開発

ボッチャ連載企画

撮影機材の収納から、官公庁、消防庁ハイパーレスキュー隊、様々な領域のプロアスリートに至るまで、「PROTECTION = 収納物の保護輸送」を第一に考えたキャリングケースを開発してきた、PROTEX。
航空宇宙関係からの特注オーダーをはじめとした気圧変化から守るケースづくりも行っていたところ、今回は気圧以外にも、乗り越えるべき大きな課題がありました。

様々な器材を衝撃から守るケースをつくり続けてきた中でも、「球状」のものに対応する事例は今回、初めての取り組み。
過去に手掛けてきた事例で一番近い形状のものは、例えばプロレース用のヘルメットといったところでしょうか。
ヘルメットや撮影機材など、比較的ハードな材質のものとは異なり、ボッチャのボールは弾力性のある、“ソフト”な材質。
とにかく、大会まで残り2週間程、という短期間の中、気圧や衝撃とともに、「型くずれ」を防ぎ、「真球の状態を最大限保つ」ことも求められました。

限られた期間の中でたどり着いたのは、内装として搭載するウレタン材を、円の大きさを少しずつ変え、細かい階段状に削るカッティング方法。

外形4mm、深さ方向3mm以下、段差で20段。
これを基準に試作を繰り返し行い、収納状態・外観上最良の形状を探りながら、最終的には52個のボールを一つにまとめて収納可能な選手団専用ケースを完成させました。

「他のケースではどうしても、ボールの調子が変わってしまう。PROTEXのボールケースに入れると本当に何事もなかった」
「このケースは選手のパフォーマンスを発揮するためになくてはならない存在です」


リオまでのフライトに実際に耐え得るかはいきなりの本番勝負に近い形となりましたが、大会後にこのような声とともにメダルを持ち帰ってくれたことは、スタッフ冥利に尽きるばかりの瞬間でした。


ボッチャ連載企画第1弾インタビュー後編